前回の記事では、「シャウチャ」(清浄)の教えを子育てに取り入れる方法についてお話ししました。今回は、ヨガの八支則の中でも重要な教えである「サントーシャ」(知足)に焦点を当て、日常生活でどのように活かすかを探っていきましょう。
今回は、サントーシャを子育てにどう活かせるか、具体的な方法や実践例を紹介します。

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サントーシャとは?

サントーシャ(知足)は、ヨガの八支則におけるニヤマ( 内面的規律)の一つであり、「満足」とも訳されることが多いです。ヨガ哲学において、サントーシャは「今あるものに満足し、感謝する心」を意味します。これは単に現状に甘んじることではなく、外部の状況や物質的な豊かさに依存するのではなく、自分の内側にある静けさや充足感を見出すことを指します。
ヨガ哲学では、人間の苦しみの原因は無知(アヴィディヤ)にあると説きます。無知から自我(アハンカーラ)が生じ、執着(ラーガ)や嫌悪(ドヴェーシャ)といった感情が生まれます。これらの感情が私たちを外の世界へと駆り立て、常に何かを求め、不足を感じさせます。サントーシャは、このような心の動きを静め、内なる平和を見つけるための鍵となります。
現代社会では、他人との比較や物質的な豊かさを追い求めることが多く、常に何か不足していると感じがちです。サントーシャの教えは、このような状況において、心の平穏を取り戻し、真の幸福を見出すための重要な指針となります。
子育てにおいては、完璧な親であろうとするのではなく、子どもの成長を他人と比較するのではなく、今の状況や子どもの個性をありのまま受け入れ、感謝する姿勢が大切です。
子育てにおけるサントーシャの実践方法
1. 親自身が満足する姿を見せる

ヨガ哲学では、私たちの行動や思考は潜在意識(サンスカーラ)に深く刻み込まれ、それが習慣や行動パターンを形成すると考えます。親が常に不満を抱えていたり、他人と比べてばかりいると、そのサンスカーラが子どもに伝わり、子どもも同じように不満を感じやすくなります。親自身が日々の小さなことに喜びを見出し、感謝する姿を見せることは、子どもにとってサントーシャを学ぶ最良の手本となります。
子どもは親の姿を見て育ちます。親が常に不満を抱えていたり、他人と比べてばかりいると、子どもも同じように不満を感じやすくなります。親自身が日々の小さなことに喜びを見出し、感謝する姿を見せることで、子どもは自然と満足の心、感謝の心を育んでいきます。
実践方法
- 日々の小さな幸せに目を向ける習慣を作る。
- 他人と比較せず、自分たちのペースで子育てを楽しむ。
具体例
例えば、子どもが小さなことを達成した時、「これができたね!」と一緒に喜びを感じる。
忙しい毎日の中でも、家族で夕食を囲む時間や子どもの笑顔を大切にする。
声掛けの例
- 「今日も一緒にごはんを食べられて嬉しいね。」
- 「〇〇ちゃんが元気でいてくれるだけで幸せだよ。」
2. 子どもに感謝の心を育む

ヨガ哲学では、カルマ(業)の法則を説きます。行為(カルマ)は必ず結果をもたらし、良い行いは良い結果を、悪い行いは悪い結果をもたらすとされます。
感謝の気持ちは、ポジティブなカルマを生み出す源泉となります。子どもに感謝の心を育むことは、自身だけでなく、周囲の人々との良好な関係を築き、より良い人生を送るための基盤となります。
感謝の気持ちは、満足感や幸福感を高めるだけでなく、他者への思いやりや優しさにもつながります。子どもに感謝の心を育むことは、豊かな人間関係を築くための土台となります。
実践方法
- 感謝の気持ちを言葉にする習慣を作る。
- 欲しいものが手に入らなくても、今あるものの価値を教える。
具体例
子どもがおもちゃを欲しがった時、「今持っているおもちゃを大切にしようね」と伝える。
毎晩寝る前に、その日あった感謝できることを一緒に考える時間を設ける。
声掛けの例
- 「今日はお天気が良くて公園で遊べたね、嬉しかったね。」
- 「ありがとうって言える〇〇ちゃんは素敵だね。」
3. 失敗や不足も受け入れる

ヨガ哲学では、変化は宇宙の普遍的な法則であると教えます。常に変化し続ける世界で、完璧を求めることは、常に不足感や不満を生み出す原因となります。失敗を成長の機会と捉え、不足を受け入れることは、変化に柔軟に対応し、心の平安を保つために重要です。
完璧主義は、常に不足感や不満を生み出します。失敗を恐れずに挑戦すること、不足を受け入れることは、成長のために不可欠です。子どもが失敗した時に、それを責めるのではなく、励まし、サポートすることで、子どもは失敗を恐れずに挑戦する勇気を持ち、自己肯定感を高めていくことができます。
実践方法
- 完璧を求めず、失敗も成長の一部と捉える。
- 子どもが失敗しても、温かくサポートする。
具体例
子どもが何かに失敗した時、「失敗しても大丈夫。次はきっとうまくいくよ。」と声をかける。
親自身も失敗した時に、「ママも失敗することがあるんだよ。」と伝える。
声掛けの例
- 「間違えたって大丈夫、一緒にやり直そう。」
- 「できることが増えたね、すごいよ。」
4. 日々の生活に感謝する

ヨガ哲学では、私たちは宇宙の一部であり、すべては繋がっていると考えます。日々の生活の中で、私たちが享受しているものは、自然や他者からの恩恵であり、決して自分だけの力で得られたものではありません。日々の生活に感謝することは、宇宙との繋がりを意識し、謙虚な気持ちを持つことにつながります。
私たちは、日常の些細なこと、例えば、温かい食事、温かいお風呂、安心して眠れる場所など、当たり前だと思っていることに感謝を忘れがちです。日々の生活に感謝することで、心が満たされ、幸福感が高まります。
実践方法
- 当たり前のことにも感謝の気持ちを持つ。
- 一緒に感謝リストを作る。
具体例
一日の終わりに、「今日はどんなことが嬉しかった?」と子どもに聞いてみる。
感謝リストを一緒に書き出して、ポジティブな気持ちを共有する。
声掛けの例
- 「今日も楽しい時間をありがとう。」
- 「お布団があたたかくて幸せだね。」
5. 親子で満足を味わう時間を作る

ヨガ哲学では、心の状態は身体の状態に影響を与え、身体の状態は心に影響を与えるとされます。親子でリラックスした時間を共有することは、心身のリラックスを促し、ストレスを軽減する効果があります。自然の中で過ごすことは、五感を刺激し、自然との一体感を感じさせ、深い充足感をもたらします。
実践方法
- 忙しい日常の中で、親子でリラックスする時間を確保する。
- 一緒に自然の中で過ごし、心の充足感を味わう。
具体例
週末に自然の中を散歩したり、絵本を一緒に読んだりすることで、
日常の忙しさから離れて満足感を味わう時間を大切にする。
声掛けの例
- 「今、この時間がとっても幸せだね。」
- 「一緒に過ごせる時間が宝物だよ。」
まとめ

サントーシャ(満足)を子育てに取り入れることは、完璧を求めず、今ある幸せに感謝し、その瞬間を大切にすることに繋がり、親と子の心を豊かにし、穏やかで充実した日々を送るための鍵となるでしょう。
親も子どもも心が満たされ、安心感に包まれた毎日を送ることができ、完璧を求めず、今ある幸せに感謝し、その瞬間を大切にすることが、穏やかで豊かな子育てにつながります。
皆さんは日々の中でどんな満足を感じていますか? ぜひ、コメントで教えてください。
一緒にサントーシャの心を育んでいきましょう。

読んでいただきありがとうございます!
次回はタパ(苦行)について探っていきたいと思います!お楽しみに!